映画「五等分の花嫁」公式サイト

映画「五等分の花嫁」の感想・レビューをネタバレ込みで紹介!

まず、本作が公開されると知ったときは「ようやく彼女たちの物語が最終的にどんな結末を迎えるのか、しっかり見届けるチャンスが来た!」と期待に胸を膨らませたものである。テレビアニメ版や原作コミックを追いかけていた人なら、あの五つ子姉妹と上杉風太郎のトリッキーなやり取りにハマった覚えがあるだろう。とにかく、この作品は恋愛と騒動が同時進行で加速していくのが特徴であり、笑いと感動が交差する展開が魅力的だ。しかも劇場版では学園生活を超えたエピソードやキャラクターの成長がより濃厚に描かれ、シリーズの締めくくりとして十分な見応えを提供してくれている。

ここでは、そんな彼ら彼女らが紡ぐストーリーに対して辛口気味に感想を語りつつ、作品全体の魅力にも触れていこうと思う。前置きはここまでとして、さっそく核心へと入っていくぞ。

映画「五等分の花嫁」の個人的評価

評価: ★★★☆☆

映画「五等分の花嫁」の感想・レビュー(ネタバレあり)

本作における最大の見どころは、やはり五つ子それぞれのキャラクター性が全開でぶつかり合うところだと思う。テレビシリーズの段階でも、長女らしくしっかり者の一花、鋭いツンを放ちながら内面の優しさが際立つ二乃、控えめで努力家かつ戦国マニアという個性が強烈な三玖、体育会系で奔放そうに見えて誰よりも繊細な四葉、そして頑固だけど面倒見が良い五月……という描かれ方が印象的だった。劇場版では、それぞれが自分なりの思いを抱えて主人公の風太郎と向き合い、大人へ近づく過程がよりはっきりと映し出される。

まず、五つ子たちの恋愛模様といえば、テレビ版のときから「誰が風太郎と結ばれるのか」が視聴者の最大関心事であった。原作を知っている人には当然の結果が待ち受けているわけだが、映画として描かれる段階では、さらにキャラクターの心理描写や行動原理が念入りにフォーカスされている。特に四葉のかかえていた想いや、彼女がいつから風太郎を好きだったか、なぜあの場面であのセリフを言えたのか、そういった部分が回想シーンを交えて深堀りされていたのが大きなポイントである。四葉はぱっと見では「お人好しでマイペース」というイメージだが、その裏では自分だけが抱えている負い目や、姉妹の中でどう振る舞うべきかという悩みをずっと秘めていた。そこに風太郎が気づいて救いの手を差し伸べる場面は、まさに劇場版ならではの盛り上がりであり、実際のところ感動してほろりときたファンも多いだろう。

もちろん、他の姉妹たちも黙ってはいない。とりわけ二乃は、テレビシリーズ前半での彼女の態度を思い返すと「本当にデレるのか?」と疑問に感じるほどに攻撃的だったが、ストーリーが進むにつれて「強気だけど情に厚い」という彼女の魅力が際立っていく。劇場版では、四葉への嫉妬や悔しさを抱えつつも姉妹として協力していく姿が描かれ、あの鋭い口調の奥にある優しさが胸を打つという展開になっている。ツンデレ好きは最後まで二乃を推し続けるのではないかと思うくらい、味のあるキャラクターだ。

三玖については、最初は無口で存在感が薄めに見えたかもしれないが、彼女が戦国武将に興味をもつ理由や、それを風太郎との距離を縮めるきっかけに変えていこうとする姿勢が印象的だ。劇場版では、文化祭をはじめとした学園イベントのシーンを再構成するような形で、三玖が自分から風太郎にアピールする奮闘がさらに掘り下げられていた。あの引っ込み思案が頑張る姿に好感を抱く視聴者はきっと多いだろう。加えて、四葉との友情ともライバル関係ともつかない微妙な空気が描かれる場面があり、それが五つ子の複雑な結束力をより際立たせている。

一花は女優としての道を切り開きつつも、姉として妹たちを導こうとする責任感を強く持っている。彼女の「自分の夢」と「姉としての役割」の間で揺れ動く葛藤は、テレビ版でも断片的に描かれていたが、劇場版ではその背景と成果がより具体的に示される。その結果、彼女自身が本当に欲していたものがはっきりすると同時に、妹たちとの距離感が一気に縮まったように見える。もともと飄々とした雰囲気の一花だが、彼女なりの苦労や遠回りを経て成長していく姿は大人っぽさを感じさせるし、「実はこういう思いがあったのか」と納得させられる描写が多かった。

五月は勉強に熱心で、風太郎とも衝突しては成績を伸ばし合う存在だったが、劇場版でもそのスタンスは揺らがない。ただ、単に意地を張り合うだけでなく、風太郎や姉妹への気遣いをしながら自分にできることを着々と積み重ねる様子が描かれており、いかにも彼女らしいまじめさを再認識できる。さらに、終盤では「自分は何がしたいのか」「何のために頑張るのか」を改めて問われるイベントがあり、そこが非常に興味深かった。まるで風太郎に選ばれた四葉だけでなく、姉妹全員がそれぞれの道で幸せをつかむための物語という印象さえ受ける。

物語全体を通して、登場キャラクター同士の掛け合いがにぎやかなのは相変わらずだが、劇場版ならではのリッチな演出や作画の向上もあり、見応えが増している。学園祭や修学旅行などの回想シーンを美麗に仕上げつつ、五つ子それぞれの表情や仕草を丁寧に描写している点が好印象だ。背景アートや光の使い方にも注目である。特にクライマックスの盛り上がりでは、きらびやかな演出効果が「これこそ劇場版!」と思わせるようなインパクトを与えてくる。そのあたりは映画館の大スクリーンで観てこそ楽しい要素といえるだろう。

ただし、評価を★3とした理由は、やはり原作やテレビシリーズを全部追わないと細かな感情の流れをつかみにくい部分があるからだ。本作は集大成的な立ち位置にあるため、新規の観客がゼロから入るにはハードルが高めだと感じる。多少のフォローはあるが、風太郎が姉妹の誰にどんなアドバイスを受け、どう成長してきたかを一通り理解しているほうがラストまで大いに盛り上がるはずである。逆にいえば、シリーズを追ってきたファンほど「ここまで見てきてよかった!」と満足できる展開が待っていると断言していい。

また、五つ子それぞれに割り振られるエピソード量のバランスも、人によっては不満が出るかもしれない。メインヒロインとしての立ち位置が確定している四葉に重心が寄っているのは当然だが、一花や三玖推しの方からすると、もう少し尺がほしかったと感じるかもしれない。そのぶん映画終盤の大団円は華やかで、結婚式やその後の日常風景を通して、姉妹がそれぞれ前へ進む姿がきっちり描かれる。それだけでも観る価値は十分にあると思う。

本作はシリーズを愛してきたファンにとっては感慨深い仕上がりであり、五つ子という特殊な設定を最大限に活かしている点が魅力である。あえて辛口に見るならば「もう少し各キャラクターの内面を描いてほしかった」という欲張りな気持ちもあるが、それでもラストシーンでの五姉妹と風太郎の絆にはグッとくるものがある。日常のすれ違いやケンカをたくさん経験しながら、最終的に「このチーム、やっぱり特別だな」と思わせてくれるのが「五等分の花嫁」の真髄かもしれない。おかげでエンドロールを観終わったあと、しばらく席を立てないほどの余韻に浸ることができた。

劇中ではラブコメの甘酸っぱさだけでなく、受験や家族の問題なども赤裸々に描かれるため、単なる恋愛作品にとどまらない奥行きがある。各キャラクターが抱える悩みは、必ずしも特別なものではないかもしれないが、その解決の仕方や仲間との連帯感が感動を増幅させていると思う。特に本作は、五人全員の将来の進路や夢、そして風太郎との今後の関係性がどのように変化していくかまで踏み込んでいるので、テレビシリーズで終わらせず映画も観てこそ初めて完走した気分になる。

最後に総括すると、劇場版としてのインパクトは十分でありながら、やはり長い物語を補完する“完結編”という意味合いが強い。ファンとしては「なるほど、こうして物語は着地するのか」と納得しつつも、もうしばらくはこの世界観に浸っていたいと思わされるのではないだろうか。そういう点では、劇場を出るころには続編やスピンオフを見てみたい気持ちをかき立てられる。実際に関連するアフターストーリーが展開しているので、興味があるなら原作や関連作品をめぐるのも一興だろう。

本編を観て「誰がベストヒロインだったか」を友人同士で語り合うのも盛り上がるし、ひとりでしみじみと思い返すのもオツなものだ。結果がわかっていても「そこにたどり着くまでのドラマを追うのが楽しい」というのが、この作品の真骨頂である。劇場版はそれをくっきりまとめてくれる場所なので、五つ子と風太郎の最後の物語をまだ観ていない人は、時間を見つけてぜひ体験してほしいと強く思う次第だ。

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映画「五等分の花嫁」はこんな人にオススメ!

まず、テレビアニメ版を完走した人には断然おすすめである。あの五つ子がどんな道を選ぶのか気になるなら、この映画は絶対に外せない。さらに、「ラブコメ要素だけでなく成長ドラマもしっかり味わいたい」という人にも合うだろう。恋愛や友情、家族関係といった要素がてんこ盛りなので、観終わったあとに「自分だったらどう行動するだろう?」と考えさせられるシーンが多いのだ。

一方で、推しキャラが既に決まっているファンなら、そのキャラが劇場版でどのようにスポットを浴びているかを楽しめるはずだ。たとえ出番の偏りがあったとしても、五つ子全員が各々の魅力を発揮しているため、推し目線で観ても十分に満足できる内容といえる。もちろん一花のクールな雰囲気や二乃の強烈なストレートさ、三玖のはにかみやすい表情、四葉の天真らんまんさ、五月の頑固だけど優しいところなどは、テレビシリーズよりも濃厚に描かれている。

また、高校生の恋愛を中心にしつつも、家族や将来への悩み、受験や勉強といったリアリティのあるテーマにも触れているので「ただの甘々作品はちょっと苦手」と感じる人にも適している。ギャグシーンではキャラクター同士のやり取りがコミカルに弾けるが、一転して真面目な空気に変わると、途端にグッと引き込まれるギャップがある。そういう起伏の激しさが好きな人には打ってつけだろう。

最後に、「普段はアクションやファンタジーを観るけど、たまには違うジャンルにも挑戦したい」という層にも薦められる。五つ子それぞれの個性が明確で、登場人物が多くても見分けやすいし、恋愛ものが苦手でも意外と入り込みやすい。何より劇場版ならではの演出や音響は、初見でも楽しめるクオリティになっているので、ちょっとでも興味が湧いたのなら一度体験してみる価値はあるだろう。

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まとめ

本作はテレビシリーズの最終章といえる展開をさらに深く掘り下げ、五つ子それぞれの思いがしっかり決着する構成になっている。いわば、ラブコメという舞台を通して彼女たちが成長し、自分の道を切り開く姿を鮮やかに示してくれるわけだ。主人公の風太郎にとっても、ただハーレム的な楽しさに浸るのではなく、姉妹一人ひとりの人生観に寄り添いながら未来を選択していく姿が丁寧に描かれている。このあたりは、ファンならずとも「大事なのは誰を選ぶかではなく、どう向き合うかだ」というメッセージを感じ取れるかもしれない。

もちろん、人によっては「もっとあの子を見たかった」「この場面を長く描いてほしかった」などの要望もあるだろう。しかし、まとまりの良いストーリー構成とキャラクターの愛らしさが相まって、見終わった後にはかなりの満足感が得られるはずだ。これぞシリーズの締めくくりにふさわしい作品といえる。

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